植物染料
主に地元産の植物を染料としています。
藍や紅花、小鮒草は畑で栽培しています。
ムラサキ(紫根)は十和田で栽培されたものを使用しています。
イレギュラーでここに載っていない植物も使用します。
蓼藍 -タデアイ-
タデ科イヌタデ属の一年草。
乾燥葉を100日程かけ発酵させ堆肥状にしたスクモを
木灰で作った灰汁と共に甕の中で再発酵させたものを
染液として使用します。甕の中に浸した布や糸を空気や
水中で酸化させると青く発色します。
醗酵、発色には菌の働きがとても大切なので、促すため
に貝灰や青森県産無農薬栽培の小麦のフスマを適時
加えます。石灰、日本酒、水飴等は使用していません。
Snow hand madeでは主に自家製の弘前藍、徳島の阿波藍を使用して「地獄建て」や「正藍染め」と呼ばれる
藍染めをしています。
染める時間と回数、藍の強さで水色~濃紺まで出せます。目的の色になるまで幾度もの染め、洗い、天日干しを
繰り返し仕上げていきます。
紅花
キク科ベニバナ属の一年草または越年草。
最上紅花を自家栽培し収穫したものを主に使用。
紅花から黄の色素と赤の色素を取り出す事ができます。
黄色い花の下の部分に赤味が出てくるころに花を収穫します。花びらは酸化すると赤く発色し始めます。赤色色素はアルカリに溶け出すので、抽出した後に酸で定着させ
紅色を染めます。
日光堅牢度やアルカリには弱いですが、こちらも古代から使用されている妖艶で魅力的な色です。
日本茜
アカネ科のつる性多年草。染色には根を使用します。
日本在来の唯一の赤色染料。5世紀前後にエジプト方面から紅花が渡来するまでは、日本の赤色はすべて茜染めだったようです。
魏志倭人伝に「卑弥呼は絳青稴(こうせいけん)と呼ばれる織物を献上した」と記述がありますが、【絳】は茜で染めた赤のことだそうです。
緋色と呼ばれる深い赤を染める為には、大変な手間がかかります。煮出して染めると夕日の色、オレンジがかった茜色になりますが、深い赤色を染める為には沢山の工程を経て時間と手間を掛け染液を作り、何度も重ね染めを
しなければなりません。
現在では希少な日本茜で、掘り出すのに非常に手間が
掛かるので高級染料のひとつとなっています。
Snow hand madeでは弘前産の生の日本茜を使用し、
平安時代に使われていたであろう技法を用いています。
オレンジ、薄ピンク~深い赤色まで染まります。
日本ムラサキ(紫根)
ムラサキ科ムラサキ属の多年草。
紫色を染める為には根を染料として使用します。
聖徳太子の冠位十二階や万葉集にもその名が出るほど古い歴史があります。日本三大色素の一つで、紫袈裟などの高貴な色の染料として用いられてきました。
生薬「シコン」は炎症や火傷の外用漢方として使用されています。昨今はほとんどが中国産の紫根ですが、
Snow hand madeで使用している紫根は希少な青森県
十和田産の国産紫根のみです。
高貴な古代紫を感じていただけたら幸いです☆
クルミ
クルミ科クルミ属の落葉高木樹。
生や乾燥させた青い実を煮出して染色しています。
Snow hand madeでは弘前産のオニグルミを使用
しています。
生の青い実は半分に割って煮出します。
ベージュ、グレー、こげ茶、藍と重ねて黒など。
桜
バラ科サクラ属の落葉広葉樹。
日本人にとって馴染み深い春の象徴です。
弘前は日本三大桜の名所のひとつです。
Snow hand madeでは主に弘前産の山桜、ソメイヨシノの枝を使用しています。
枝を煮出し方や回数などによって沢山の色で出せます。
黄色、ピンク、カーキ、グレー、ピンクグレー、赤茶など。
リンゴ
バラ科リンゴ属の落葉高木樹。
リンゴは弘前の名産品の一つです。
Snow hand madeでは弘前のリンゴ農家さんから剪定した枝を頂き染めています。
品種はジョナゴールド、ふじ、津軽 等々です。
リンゴは煮出し方や染め順、季節、媒染によってまったく違う色がでます。
私にとって謎多き染料です。
ベージュや黄色系、ピンクやオレンジなど。
ヨモギ
キク科ヨモギ属の多年草。
草餅などで馴染み深い蓬ですが、ハーブの女王と呼ばれるほど沢山の効能があります。漢方として、食し、飲み、
蒸し、焼き、浸かりなどで使用できる万能草です。
収穫時期や成長具合、煮出した回数などにより何種類もの色を出すことが出来ます。
黄色系、モスグリーン~グリーングレー、茶系など
シックな色が多めです。
藍に重ね緑を出したりもします。
竹
イネ科マダケ属の孟宗竹を使用しています。
弘前ではネマガリタケと呼ばれる細いタケノコが
主流ですが、山の方には大きなタケノコの取れる
孟宗竹も沢山あります。
染めには竹の葉を使用しています。
明るく鮮やかな黄色が出ます。
藍で下染めし緑を出す時にも使用します。
小鮒草
イネ科の一年草。
葉の形を小鮒に見立ててコブナグサ。
あぜ道や野原で比較的目につきやすい植物。
八丈島では八丈刈安と呼ばれ黄八丈の染料。
鮮やかな黄色。
藍で下染めし緑色を染めます。
福木
福木(ふくぎ)は沖縄・奄美地方などで植栽されている
常緑高木です。沖縄では屋敷の周りに植えられ、防風林とされています。
大きな台風のあと倒れた福木から樹皮をはぎ取り、それを煮出して染色します。
Snow hand madeでは波照間島の福木を使用しています。
薄黄~山吹色、薄茶~こげ茶が出せます。
藍で下染めし福木の黄色染め重ね緑色を出します。